研究概要 |
平成7年度は実験環境の整備に主眼が置かれた。申請者は提案した実験環境では、光学系装置とグラフィックCRTで提示される刺激成分の時間及び空間強度分布を独立に制御する必要がある。たとえば等輝度の色のCSFを測定するには、逆位相で2つの正弦波色光を重ねて提示する必要がある。これらの問題を解決するため特殊なフィルター及びシャッターを含む複数の装置群を既存の光学系装置上の2光路に設置した。現有装置として、(1)バリアブル液晶リダーダー、(2)光学シャッター、(3)強度調整用ウエッジフィルター、(4)空間的強度分布を構成するフィルターがあり,これらは2光路に設置された。この中で(1)は入力電圧量に応じて光の透過率を変える装置であるが、高速変化が可能でかつ高い指令電圧が必要である。これら2光路の実験装置群の統合的制御のために、インターフェースを有するPC及びその高速処理の限界を補い、指令電圧を発生させるための2つのファンクションシンセサイザー及び指令電圧の増幅装置を設置した。これにより刺激光を時間的に局在させ、かつ時間的強度分布が体系的に制御可能となった。このような装置群を1光路だけでなく2光路に設置することにより、各々の光路によって作られる2つの刺激光のそれぞれの時間的強度分布を独立に変えることができ、色システムの時間的特性をより厳密な刺激を用いて組織的に検討できる。またグラフィックCRTは上述のPCにビデオボードを搭載することによって制御する。ビデオボードを登載することによって、検出実験を行うのに十分な色の種類を確保した。測色に関しては、色彩輝度計をGPIBボードでPCに接続させ、自動測光するシステムの開発した。これにより厳密に刺激の測色および較正を行うことができる。以上の環境で予備実験のプログラム作成したが,その際にPCのフレームバッファへの刺激パタンの書き込みと消去をCRTの画面更新と同期させた。このような諸問題を解決したのちに、予備実験を行って、実験装置群の妥当性や精度の点検をおこなった.
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