研究課題/領域番号 |
07551004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江島 義道 京都大学, 大学院・人間・環境学研究所, 教授 (60026143)
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研究分担者 |
大谷 芳夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00192518)
湊 小太郎 京都大学, 医学部, 助教授 (00127143)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | ヒトの視覚系 / 並列情報処理 / 仮想現実感 / 運動知覚 / 形態知覚 / 奥行き知覚 / 恒常性 |
研究概要 |
3次元的知覚現象の解析のために、両眼視、単眼奥行き、運動といった知覚要因の解析と頭部運動、身体運動の解析が同時に可能な「3次元視覚実験システム」を開発した。コンピュータによる画像提示と両眼視装置を組み合わせて、ヘッドマウントディスプレー、液晶、光化学による実体鏡を用いた、3種の3次元視覚実験システムを開発し、その性能を比較検討した。このシステムによる知覚現象測定結果に基づき、高次過程を含む視覚系全体の機構を、階層的・並列的情報処理システムとして計算機上に実現し、視覚系全体としての動作特性を総合的・定量的に解析できるシステムの概念的枠組みを構築した。特に、異物体一同一物体の切り替えが生じる臨界条件を体系的・組織的に測定することにより、物体の認識に伴う局所的・多次元的情報の統合過程(視知覚モジュールの相互作用過程)を以下の項目について明らかにした。まず、形態知覚については、主観的輪郭線知覚の時間特性、ネオンカラー現象発現機構のモデル構築、知覚探索課題による高次色情報機構の解析を行った。次に、物体境界の運動とテクスチャーの拡大・縮小運動によって形成される単眼奥行き知覚について空間周波数の時間的変化を検出する機構により解析した。さらに、視野内の各位置で得られる局所的な1次元運動を統合して形成される拡大/縮小、回転などの2次元運動知覚について、運動の同化現象を手かがりとして、1次元運動の空間的統合特性を測定した。また、運動刺激による静止図形境界線の補捉現象では、輝度輪郭情報による色境界情報の修飾効果が静止色図形と運動図形の間にも生じること、運動刺激による修飾効果は極めて大きいことを明らかにした。これらの結果により、形態・奥行き・運動知覚モジュールの相互作用について、モデルの構築を行った。
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