研究課題/領域番号 |
07552001
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 明彦 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (30163497)
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研究分担者 |
服部 正太 構造計画研究所, 創造工学部, 部長
野中 尚人 学習院大学, 法学部, 助教授 (90264697)
原田 至郎 日本学術振興会, 特別研究員
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キーワード | コンピュータ / 内容分析 / 総理演説 / 頻度分析 / 政治テキスト / 政治分析 |
研究概要 |
本研究は、大量の政治関連テキストについて、その内容をさまざまな観点から分析するコンピュータ・システム(仮称 CASPT)を開発することである。本年度は、最近の情報処理研究、政治学、社会学などにおけるコンピュータを利用した内容分析についての文献の検討、コンピュータ専門家からの意見聴取、CASPTの基本設計などのためメンバー間での研究会を6回行った。それ以外にも随時、インターネットを通し研究調整を行い、以下の作業を行った。第1には、戦後の日本の総理大臣の国会演説を材料に、有用と思われる500余りの政治概念の抽出を行った。第2にこの概念を使って、予備的に総理演説におけるそれらの頻度分析を行った。第3に、単純頻度分析、複数概念間の同時出現頻度分析、これらをベースにした手法の検討を行った。第4に、政治テキスト分析の初歩的トゥールとして、前述の頻度分析のプログラムを作成したほか、多数の政治テキストの中から、指定させた概念の出現箇所を抽出し、リストアップするプログラムも作成した。第5に、第4で述べたような初歩的トゥールを組み込んだユーザー・フレンドリーなシステム、CASPTのプロトタイプともいうべきシステムの設計を完了した。第6に、第4で述べた初歩的トゥールで実際の政治分析がどの程度可能になるかを、日本の安全保障政策の展開をテーマとして検討してみた。来年度の課題は、政治概念リストをさらに検討すること、政治概念間をつなぐ述語構造としてどのようなものを考えるべきかを検討すること、さらにテキスト間の類似度の図示化の方法、テキストそのもの構造の抽出と図示化をすることであり、これらの手法のプログラムを作成することである。また、CASPTのプロトタイプをとりあえず完成させ、実験を繰り返し、実際の政治分析にどの程度有用かを調べる方針である。
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