研究課題/領域番号 |
07554004
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 和明 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (00242165)
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研究分担者 |
清水 一弥 昭和サイエンス, 技術部, 部長(研究職)
荒船 次郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80013415)
神田 展行 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50251484)
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キーワード | 重力波天文学 / 重力波検出器 / 防振技術 / X-振り子 / 光干渉計 / 地面振動計測 / 受動防振 |
研究概要 |
重力波天文学のための重力波検出器の開発において、要となる技術のうちの防振技術について、新しい原理に基づくX-pendulum機構は、観測周波数帯域(数百Hzから1kHz程度)を低周波の方へ飛躍的に改善できる可能性をもつ。このX-pendulum機構を防振装置に応用する技術の開発を行い、その特性のみならず、安価で信頼性の高い特徴を実地に示すことが本研究の目的である。計画の第2年目にあたる本年度は、2次元水平防振装置の基本的な動作の確認を行い、同様な試作機2台を完成させた。この防振装置の微小振動環境下での動特性を測定するため、10mの真空パイプでつながれた真空槽にこれら2台をそれぞれ設置し、互いの間の振動距離変化をマイケルソン光干渉計で計測し、同時に地面振動も計測することにより、その伝達特性を測定した。この結果、X-pendulum機構自体から発生する10Hz付近の共鳴による特性悪化と30Hz以上の周波数領域における飽和現象が目標の特性を阻害していることがわかった。しかし、この測定に基づく構造の改良を行えば、理想的な特性に近づけられることも同時に確認できた。また、長期的な平衡点のドリフト特性を計測し、水平の傾きを制御すれば、予定通りの特性を出すことも確認した。 以上により、この水平2次元防振装置は、重力波検出器の防振装置として十分使用可能であることが判明し、かつ、試作機開発で得た経験により安価に製作できる目処が立った。これらの結果は、すでに発表した論文で一部公表され、その他については公表論文を準備中である。
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