本研究は、我々が開発して来た^4He-循環式希釈冷凍機(^4He-DR)の特徴を活用するものである。その内容は(1)^4He-DRの主要部を非金属属材料で構築すること、(2)この^4He-DRを高磁場下で動作させて、核スピン偏極した液体^3He及び^3He-^4He混合液を生成すること、である。(2)の目的を視野に据えて、^3He-冷凍機を2基内蔵した^4He-DRを設計し、現在製作中である。非金属材料を用いた熱交換器として、サファイヤを用いるが、サファイヤ基板にサファイヤ微粉末を焼結させる段階で苦労している。核スピン偏極度を測定するため数百MHz域の核磁気共鳴を用いるが、このためには、損失が少い超低温用同軸ケーブルを必要とする。この目的のため、キュプロニッケル2重管を用いて、真空同軸ケーブル(50Ωインピーダンス)を試作した。 外部操作系としては、^3He冷凍機系(2基)、^3He-^4He系統(1基)、^4He系統(1基)を設計し、現在製作中である。以上の準備と、今年度購入したデュワ-及び超伝導磁石を結合させて、来年度より実験を開始できる予定である。
|