本研究は、我々が開発してきた^4He循環式希釈冷凍機(^4He-D.R.)の特徴を活用して、(1)^4He-D.R.の主要部を非金属材料で構築すること、(2)この^4He-D.R.を高磁場下で動作させ、混合室内に核スピン偏極して^3Heを生成すること、の2点を主目標としている。 これらの目標を視野において、種々の試行錯誤を繰り返し、現在最終版としてのクライオスタットが完成の段階を迎えている。 主たる点は、(1)^4He循環量1×10^<-2>mole/sを可能とする大冷却能力の^3Heポットを2基独位に設置したこと、(2)^4He-D.R.内の圧力を一定に保持して動作させられるよう4ヶのcold-valveを設置し、^4Heの循環のためのFountain-pumpを設置したこと、(3)混合室と熱交換管はスピン緩和を極力おさえるべくスタイキャストで製作したこと、である。 これらの要請を満たすクライオスタットは、かなり大型のものとなった。本年度はこの装置を用いて40%以上の偏極度達成を目視して改良・開発を行っていく予定である。
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