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1996 年度 実績報告書

微細加工基板を用いた新しい金属人工格子

研究課題

研究課題/領域番号 07554009
応募区分試験
研究機関京都大学

研究代表者

新庄 輝也  京都大学, 化学研究所, 教授 (70027043)

研究分担者 山本 英文  日本電気, マイクロエレクトロニクス研究所, 主任研究員
壬生 攻  京都大学, 化学研究所, 助手 (40222327)
キーワード人工格子 / 微細加工技術 / V字溝基板 / 非結合型GMR / スピン依存散乱 / 巨視的量子効果
研究概要

シリコンの基板上に微細加工法によってV字型溝を作成し、その表面に蒸着することによって磁性体の人工格子膜に新しいタイプの人工的構造制御を加えることができることを昨年度確認し、V字溝の最小ピッチは現状では0.5ミクロン程度であることを報告した。今年は系統的な研究を進めた。昨年度はCuをベースとする非結合型GMR人工格子についてMR値を調べたが、さらにベース金属をAuおよびAgとした場合のMR比を測定した。V字溝上に厚く蒸着した人工格子では測定電流方向は磁性体の面とはある一定の角度(54.7度)を持つため、MR比の増大が予想されるが、いずれの試料の測定でもMR比が増大していることが確認された。また外挿によって電流方向が膜と垂直の場合きMR比を評価した。垂直電流の場合試料内の電流が一定値である直列モデルが適用できるため、解析が容易である。本年度にはAuやAgをベースとする人工格子のMR比を測定したが、Cuの場合よりも小さいことが判明した。これらの結果を総合して、磁性層内および界面でのスピン依存散乱確率を求め、物質に対する依存性を明らかにした。微細加工基板上に斜め方向からの蒸着を行うと、幅1ミクロン以下の細線が得られる。このような人工的磁性細線は新しい物性を発現することに期待がかけられるが、本年はデュアルスピンバルブ型の5層膜を作成し、その中の磁性層の磁化の揺らぎの検証を試みた。超細線の磁化の揺らぎは巨大量子効果を示す可能性があり、その場合には磁気的粘性が低温では温度変化しなくなると予想されている。今回の試料の絶対温度4Kまでの揺らぎは温度とともに変化しており、そのメカニズムは量子効果的ではなく熱力学的であることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Shinjo: "Magnetic Structure and Magnetoresistance of Metallic Multilayers" Thin Solid Films. 281-282. 469-473 (1996)

  • [文献書誌] T.Ono: "Magnetization Relaxation in Multilayer Wire Arrays Observed by GMR Effect" J.Phys.Soc.Jpn.65. 3021-3024 (1996)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi: "Transport Properties in Microstructured Multilayers" Czech.J.Phys.46. 2351-2352 (1996)

  • [文献書誌] Y.Kobayashi: "Hall Effect and Thermoelectric Power in Multilayers Prepared on Microstructured Substrate" J.Phys.Soc.Jpn.65. 1910-1913 (1996)

  • [文献書誌] T.Shinjo: "Magnetism and Magnetoresistance of Multilayers Prepared on Microstructured Substrates" Acta Physica Polanica A. (印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 小野輝男: "微細構造を施した人工格子のGMR" 固体物理. 32(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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