過去の地球磁場強度決定実験の精密化

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07554014
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 河野 長 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20011596)
• キーワード: 古地磁気学実験 / コンピュータ制御 / 地球磁場強度

研究概要

平成7年度に製作した測定系(電気炉とフラックスゲート磁力系を組合せ、パーソナルコンピュータで制御することで熱消磁やテリエ法による磁場強度決定実験の自動化をはかったもの)のソフトウェアを開発した。作成されたプログラムは(1)試料の回転や平行移動をモータによって行ない、またその時のサンプルの位置・角度をフォトインタラプタのシグナルから求める、(2)電気炉の温度を設定して加熱・保温・冷却の各段階を制御する、(3)ソレノイドに電流を流したり切ったりすることでサンプルに印加される磁場を変化させる、(4)フラックスゲートセンサーからの信号を検出し増幅した上でAD変換したデータを取り込む、などのハードウェアの制御を行なった上で、取り込んだデータについてはスタッキングやFFT処理をして磁化の強さや方向を決定するものである。
この測定器を用いて、実際の熱消磁やテリエ法実験をアイスランドの玄武岩試料に試験的に実施した。現在これらのデータを解析中である。

研究成果

• [文献書誌] Tanaka,H.,M.Kono,and H.Uchimura: "Some global features of paleointensity in geological time" Geophys.J.Int.120. 97-102 (1995)
• [文献書誌] Tanaka,H.,M.Kono,S.Kaneko: "Paleosecular variation of direction and intensity from two Pliocene-Pleistocene lava sequences' in southwestern Iceland" J.Geomag.Geoelectr.47. 89-102 (1995)
• [文献書誌] Kono,M.and H.Tanaka: "Mapping the Gauss coefficients of the pole and the models of paleosecular variation" J.Geomag.Geoelectr.47. 115-130 (1995)
• [文献書誌] Kono,M.and O.Hiroi: "Paleosecular variation of field intensities and dipole monents" Earth Planet.Sci.Lett.139. 251-262 (1996)
• [文献書誌] Starchenko,S.and M.Kono: "Numerical verification of MEGA in axisymmetric αω-dynamo" Geophys.Astrophys.Fluid Dynam.82. 93-123 (1996)
• [文献書誌] Uchimura,H.,M.Kono,H.Tsunakawa,G.Kimura: "Paleomagnetism of Late Mesozoic rocks from Northeastern China:the role of the Tan-Lu fault in the North China Block" Tectonophysics. 262. 301-319 (1996)