研究課題/領域番号 |
07554015
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤井 直之 名古屋大学, 理学部, 教授 (60011631)
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研究分担者 |
村田 正秋 科学技術庁航空宇宙技術研究所, 計測部, 主任研究員
木股 文昭 名古屋大学, 理学部, 助手 (10089849)
小川 克郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40262844)
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キーワード | 火山性地殻変動 / 航空機合成開口レーダ / リピートパス航法 / リアルタイムGPS / GPS誘導システム / 数値標高データ |
研究概要 |
昨年度の最大課題であった、航空機と地上誘導局を結ぶ電波の使用が1996年5月にNECに対し許可された。そこで,NEC所有の航空機搭載型SARシステムにより高精度リピードにより高精度リピートパス航法によるAirlnSAR実験を開始した。 まず、山形県板谷地区における大規模な地滑り地帯を試験地に選定した。同域では、航空写真による調査から年間mを越える地滑りの発生が指摘されている。そこで、高精度リピートパス航法のよるAirInSAR観測成果と比較検討するために、板谷地域でGPSによる地滑り観測を1996年8月と10月に実施し、1cm/dayを越える地滑りを検出した。GPS観測の結論として、Xバンド使用のAirInSAR観測ならば隔日観測でも、高精度リピートパス航法によるAirInSARが可能と判断した。なお、地滑り変動検出のGPS基点はAirInSAR観測では参照点としての機能も有した。 高精度リピートパス航法として、InSARに関する干渉限界ベースライン距離は、Xバンドを使用し、スラントレンジ5km、ルック角60度、スラントレンジ分解能を3.2mと±20mのリピートパスが要求される。そこで、GPSによるリアルタイム高精度誘導システム(機内でのモニター表示部も含む)を開発し、1996年10月に実施した山形県板谷地区における試験飛行では、隔日の飛行から、干渉ベースライン距離が飛行コース4000mに渡り±10mまで実現した。また機体に4個のGPSアンテナを設置し、航空機姿勢の検出を行った。 高精度リピートパス航法によるAirInSARは初めての試みでり、学問以前の問題-使用電波に関する許可保留-などが生じ、本研究期間中に地殻変動を検出する段階までに至らなかった。しかし、±10mまでの高精度リピートパスが実現することにより、アンテナを1機しか有しない航空機搭載型SARシステムでもDEM(数値標高データ)の取得が可能となり、AirSARの応用範囲は確実に拡大されたと考える。
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