研究課題/領域番号 |
07554021
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 千秋 大阪大学, 理学部, 助教授 (50176591)
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研究分担者 |
竹内 徹也 大阪大学, 低温センター, 助手 (90260629)
伊達 宗行 原子力研究所, 先端基礎技術研究センター, センター長 (80028076)
山中 高光 大阪大学, 理学部, 教授 (30011729)
土山 明 大阪大学, 理学部, 助教授 (90180017)
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キーワード | 反磁性 / 磁気異方性 / シリケート / 磁場整列現象 / 異方性帯磁率 |
研究概要 |
1.測定法の精度向上について 本研究では、これまで解明が進んでいなかった反磁性の微弱な磁気異方性の正確な定量測定をすすめる。この目的のために、異方性エネルギーが吊り糸の剛性エネルギーを大きく上回る条件下で、磁気的エネルギーのみに依存する回転運動を実現させ、異方性を測定する。この条件を達成するために、横磁場の超伝導マグネットを導入した。これにより磁場強度は従来の1.7Tから5Tに増大し、測定感度を一桁向上させることが可能となった。また同じく感度向上のために、1モルサイズの単結晶試料が必要であり、その選定と整形を行なった。 さらに吊糸のねじれ剛性を小さくすることによる感度向上を進めた。具体的には従来の90μmの線材に変えて、49μmの線材を用いることで、ねじれ剛性の項を従来の4分の1に減少させ感度を半桁向上させることに成功した。この線材は従来は、重量の上で1モルサイズの試料に耐えられないと考えられいたが、試行の結果、十分使用できることが分かった。この手法を新たに設置された超伝導マグネットと組み合わせることにより、磁気異方性の測定を、当初の目標よりさらに半桁高い精度で実現する可能性が出てきた。 2.超伝導マグネットの企画変更 当初の設計では、10mmφの径で磁場中心から鉛直上向き方向の空間を設計していた。しかしながら、測定システムの断熱空間の必要上、60mmφに変更した。これにより、測定システムへの磁場勾配の影響を、定量的に評価することが可能となった。 3.測定系の開発 サンプルセル内層は粘性抵抗や気流による運動の乱れを除く目的で常時排気する。このための装置製作を進めた。また、あらたに試料の吊糸の保持部に超伝導浮上の軸受けを導入し、上記の精度をさらに向上させつつある。
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