研究課題/領域番号 |
07554021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 千秋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176591)
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研究分担者 |
竹内 徹也 大阪大学, 低温センター, 助手 (90260629)
伊達 宗行 日本原子力研究所, 先端基礎科学研究センター, センター長 (80028076)
山中 高光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30011729)
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90180017)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 磁性異方性 / 磁場中回転 / 無機酸化物 / 調和振動 |
研究概要 |
本研究では調和振動による新しい測定原理とした磁気異方性の測定システムを開発し、10^<-12>emuレベルの高感度で測定を実現した。これにより反磁性異方性の正確なデータが集積され、自然界の鉱物全般にわたり磁場整列特性を明らかにする基盤が確立された。 今回開発した磁気異方性測定装置は従来のトルク法を出発点としながらも、磁気異方性エネルギーを極限まで増大させて行なう点で別の発想に基づいたものである。この原理による測定感度は、今後のマグネットの発達にともなう磁場強度の増加とともに、限りなく向上すると考えられる。本研究では測定対象を反磁性物質に限定したが、従来からのスピン系の測定についても問題なく進めることができる。特に反磁性体中に含まれる極微量の磁性イオンについての研究などに有効であると考えられる。また単に磁気的な性質にとどまらず、例えば岩石中における構成鉱物粒子の配向度の定量評価など、様々な物理測定に応用できる可能性もある。 なおこのシステムで達成した10^<-12>emuという感度は、これまで検出さていない微弱なレベルの異方性であり、その意味での未知の極限領域である。従って、例えば異方性の高次項の解明や結晶の微弱な歪の評価など、新しいタイプの異方性に基づく研究が、今後展開される可能性がある。 これと平行して自然条件における粒子の磁場整列現象を解明するため基礎的研究を進めた。その一例として、銀河面での固体微粒子の磁場整列機構を解明する目的で、Heガス中でのグラファイト粒子の磁場整列実験を行った。さらに反磁性粒子と分散媒体の分子の相互作用を理解するために、温度および分散媒体の粘性をパラメータとした測定を行った。この結果に基づいて、赤外線の天文観測に基づく既存の整列理論の妥当性を検証した。
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