研究課題/領域番号 |
07554048
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舞原 俊憲 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90025445)
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研究分担者 |
喜多 敏昭 (株)日立製作所, 計測器事業部, 主任技師
鶴 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10243007)
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キーワード | 回折格子 / グレーティング / エシェル格子 / スペクトログラフ / 分光器 |
研究概要 |
平成7年度は当初の研究計画に沿って、超精密フライス加工法でアルミ合金素材を切削することにより、波長3ミクロン帯での使用を想定した赤外線用エシェル型の回折格子を製作した。この回折格子は、1mm当たりのグルーブ数(刻線数)が約8本の特殊なものである。このように大きな刻線間隔と深い光路差をもたせることによってのみ、多次数のスペクトルを同時に得ることのできる、いわゆる「エシェル・スペクトログラム」をつくるもので、従来の方法では製作不可能であった。我々は、赤外線域で種々の分光素子や反射鏡などの分光効率、絶対反射率等を測定できる「分光効率測定器」を利用して、製作したアルミ製の回折格子の性能について色々な面から測定を行なった。 その結果、波長2.1ミクロンでの回折格子の絶対効率は、約70%であることがわかり、予想以上の高精度が得られていることが明らかになった。また、この回折格子を実際の赤外線分光測定装置に組み込んだ状態で、波長2.8から4.2ミクロンまでを次数25から37次に亘ってカバーした、13本のスペクトルからなるエシェル・スペクトログラムをつくり、各次数スペクトルの間に散乱光として失われる光量を測ることによって、格子のカッティング面の精度を推定し、効率測定と良く一致するすることがわかった。 今後は、効率測定器の平行ビーム径を10mmから広げる工夫をして、50mm角の回折格子の全面について位相がどの程度そろっているかについて定量的な測定を行い、赤外線エシェル型回折格子の製作方法を確立する。
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