研究課題/領域番号 |
07554049
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大橋 隆哉 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70183027)
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研究分担者 |
倉門 雅彦 新日本製鐵先端技術研究所, 主任研究員
村上 敏夫 宇宙科学研究所, 助教授 (60092350)
山崎 典子 東京都立大学, 理学部, 助手 (20254146)
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キーワード | X線天文学 / X線検出器 / 超伝導 / ジョセフソン接合 |
研究概要 |
本年度は研究2年目にあたり、超伝導トンネル接合検出器(STJ)のX線に対する特性を系統的に調べる実験を進めた。ヘリウム3クライオスタットにX線発生装置を接続し、1〜25keVの範囲のいろいろな特性X線をSTJに当てた。使用した素子は新日本製鐵先端研の倉門氏の製作したものである。単接合素子ではX線による信号を得ることに成功し、エネルギーに対する出力の線形性が調べられた。高エネルギーほど出力波高は線形から低くなるという傾向のずれが見られた。入射X線のエネルギーが高くなると、生成される準粒子密度が増え、再結合の確立が増えるために出力が小さくなるためと考えられる。出力信号のバイアス電圧依存性が素子の動的抵抗値で説明できることを示し、ノイズの影響も評価した。STJの特徴である優れたエネルギー分解能を実現するためには、まず外来ノイズを遮断することが最も重要であると結論された。また直列接合素子でX線を検出する実験を行ない、Cd109(22keV)からの信号を得ることができた。エネルギー分解的にはまだまだ改善が必要であるが、STJを用いて高分解能撮像型検出器を開発するための一つのステップを乗り越えられたと言える。
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