研究概要 |
平成7年度は,火成岩岩石学用エキスパート・システムの基本的構造の研究を行い,それに基づいて,解析システム(ハード)の構築,知識データベースの構築,そしてコンピュータに対する入出力インターフェイス部の構築を進めた。基本的な解析ならびに入出力システム(ハード)の設計,パ-ツの購入を終え,現在システムの構築を進めている。組織データ入力には,岩石組織の写真撮影装置とともに,偏光顕微鏡から直接組織画像が取り込み可能なカラービデオカメラを用いることとし,その表示用に21インチの大画面モニターを接続した。組織のうちの鉱物容量比測定に関しては,やはりオートマチックポイントカウンターが現在のところ最も安価で,効率的な装置であるので,これを顕微鏡にセットし,鉱物の観察・同定作業をモニターを用いて行えるようにシステムをセットした。大容量の画像データベース構築用の媒体として,いくつかの異なるメディアとドライブについて検討を行った。テクトニックに異なる地域からの代表的試料の採集,採集試料の薄片作成、記載作業等を進めている。また,分析データの入出力系と解析用グラフィック部,ならびにモデル計算部について,各種モジュールの設計とプログラミングを,DOS/Vおよびウインドウズ上で進めている。まだ,この部分は未完成であるが,その一部を用いて,東北本州弧新生代火山岩類についての,プロセス判定図の半自動作成作業を行い,その成果を用いて報告書を作成した。データ入力作業のうち,露頭写真を含めた岩石組織などの基本データの入力をかなり進めることができ,また,システムに導入し接続した組織データの入力部分についても,現在順調に機能している。
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