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1997 年度 実績報告書

薄膜型リチウム2次電池用高分子固体電解質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07554062
研究機関東京農工大学

研究代表者

重原 淳孝  東京農工大学, 工学部, 教授 (60170867)

キーワード高分子固体電解質 / リチウム2次電池 / 単一イオン伝導性 / アルミナート錯体型ポリマー
研究概要

先ず、前年度において開発し、若干の電池特性評価を行ったアルミナート型高分子固体電解質について、適当量のリチウム塩を添加してt_+=t_-=0.5の理想的双イオン伝導状態を実現し、[金属Li/固体電解質/酸化型ポリアニリン]の電池系へ適用した。その結果、通常の溶液系電解質を用いる[金属Li/溶液系電解質/酸化型ポリアニリン]では放電に伴うイオン移動の不均衡(t_+≠t_-)により分極が起きるため出力が低下するのに対し、上記の固体電解質を用いた電池では定常的な出力を与える理想的放電状態を実現できた。
同様の検討を、元々伝導度がアルミナート錯体型よりも高いチオアルミナート錯体型高分子固体電解質に関しても検討し、更に良好な結果を得た。しかしながら、チオアルミナートは相当するアルミナート錯体型よりも混入水分に敏感であり、組み合わせ可能なカソードは上述のポリアニリン、TiS_2などのイオウ、セレン系カルコゲン化合物、グラファイト系化合物に限定された。
安全な電池への試行の一環として、[Li^+-グラファイト層間化合物/電解質/層間化合物]の形式を検索する途上で、放電合成したグラファイト微粉末が極めて強いアクセプター性を示すことを見出し、従来のカルコゲン化合物カソードを代替できることが分かった。これらは、[Li^+-グラファイト層間化合物/電解質/放電合成グラファイト]に代表されるオールカーボンの大容量二次電池の可能性を示唆するものである。同時に、イオン伝導度の高いチオアルミナート錯体型高分子固体電解質と併用できるので、今後、容量、単位セル当たりの電流密度が大きい二次電池を形成できる可能性が開けた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kazuki Morimoto, et al.: "Synthesis and Electric Properties of One-dimensional Polymers of Metallophthalocyanine with Octakis-substituents of Acceptor Groups." Synthetic Metals. 84. 353-354 (1997)

  • [文献書誌] 重原,淳孝,他: "側鎖に分極基を有するポリフマレートの合成とそのLB膜のSHG特性" 高分子論文集. 54(11). 805-811 (1997)

  • [文献書誌] Ken Onishi, et al.: "Thioaluminate Polymer Complexes as Single-Ionic Solid Electrolyte." Chemistry of Materials. 9(4)(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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