研究課題/領域番号 |
07554076
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福田 行男 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (40025482)
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研究分担者 |
鏑木 誠 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40093504)
森井 俊行 神戸大学, 発達科学部, 教授 (20031370)
原 俊雄 神戸大学, 理学部, 助教授 (50156486)
河本 敏郎 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (70192573)
國友 正和 神戸大学, 理学部, 教授 (40031348)
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キーワード | アクシオン / 標準理論 / 光共振器 / レーザー / 永久磁石 / 単一光子計数 / 高反射率ミラー |
研究概要 |
最近の高エネルギー実験による精密なテストを経て、揺るぎない信頼を得つつある素粒子の標準理論は、未発見素粒子アクシオン(axion)の存在を予言する。この素粒子は、他との交互作用が極めて弱く、「宇宙の暗黒物質」の有力候補でもある。アクシオンの存在とその性質の研究は現代物理学の最重要課題の一つである。 本研究の目的は、レーザーと高性能光共振器を併用して磁場中での光子→アクシオン(P→A)変換とアクシオン→光子(A→P)変換によるアクシオンの生成・検出を行う独自の方法に基づくアクシオン検証のための実験装置を試作することである。本研究の成果を実施計画の項目に従って纏めると次の通りである。 (1)システム設計:標準理論の予想に従い、また、最も重要な要素であるレーザー、ミラー、磁石の可能な特性を考慮して、システムを設計した。(2)各部分の設計・制作:a)レーザー光源部はNd:YAGレーザーの第2高調波を用い、基本波をA→P変換部の光共振器の制御用といて用いることとした。b)、c)P→A、A→P変換部は、プロトタイプの各1mの長さのものを用いることとした。(3)全システムの組立:プロトタイプの装置をベースに、レーザー波長計等の周辺の測定器類を充実させる要綱でシステムを組み立てた。P→A変換部とA→P変換部のうち前者のみに光共振器を利用する形までの組立が完了した。(A→P変換部の光共振器は研究器官中には完成できなかった。)d)信号検出器は、単一光子計数器の測定の自動化のためのパーソナルコンピュータとソフトウェアーを付加した。。(4)各部分のテスト・調整:光共振器のフェネス、レーザーと光共振器の波長制御と装置全体の除振についてテスト・調整を終えた。(5-6)性能の評価、アクシオンの検証実験:試作装置を用いて信号の測定を行い相互作用数g<1.1×10^<-5>GeV^<-2>の結果を得た。
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