研究課題/領域番号 |
07554083
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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研究分担者 |
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90251363)
小原 繁 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (80160935)
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40175659)
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キーワード | 分子軌道法 / ab initio法 / 並列化アルゴリズム / MRMP法 / 密度汎関数法 |
研究概要 |
理論化学の進歩とコンピュータの高速化に伴い、複雑なモデルに対する大規模理論計算が可能になり、理論が化学の進歩に大きな貢献ができる日がやってきた。学術分野では最近物理化学に限らず、有機、無機化学その他の領域でも理論と実験の共同研究が増大している。またエンジニアリングの分野においても、理論化学をはじめとする計算機化学、コンピュータ・グラフィックスや高速なシミュレーション機能を活用した数値実験による分子設計、材料設計という夢が現実のものになろうとしている。本研究の目的は定量的理論化学の成果を基礎に、電子状態理論や分子反応動力学などの理論化学の諸分野の力を結集して、化学反応をはじめとする種々の化学事象を微視的レベルで解明するとともに、その制御理論を確立し、Molecular Modeling Technology(理論化学に先導された分子設計、反応制御、材料設計など)というニューフロンテアを開拓するためのソフトウエア開発、パラレル計算機用のアルゴリズムの開発にある。 本年度は、私たちが提唱した分子理論、Multireference Moeller-Plesset法のプログラム、密度汎関数のプログラム、分子シミュレーションのプログラムの開発に取り込み、最初の2つは完成し、既存の分子軌道法計算プログラムパッケージ、HONDO95,GAMESSに組み込んだ。また、ゼオライトを対象とした分子シミュレーションのプログラムもほぼ完成し、現在汎用性あるプログラムに改善中である。さらにパラレルアルゴリズムに関しては、Multireference Moeller-Plesset法のプログラムの一部と分子軌道法計算の重要な計算プロセスの1つである原子積分から分子積分への変換(4-index-transformation)プログラムをパラレル化した。またこれらのプログラムを利用して分子の励起状態やダイナミックスを解明し、分子設計への応用研究に着手している。
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