研究課題/領域番号 |
07555010
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
河口 仁司 山形大学, 工学部, 教授 (40211180)
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研究分担者 |
永井 治男 アンリツ(株), 研究所第2研究部, 部長
高橋 豊 山形大学, 工学部, 講師 (00260456)
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キーワード | 半導体レーザ / 半導体レーザ増幅器 / 4光波混合 / 偏波面自己変調 / モード同期 / 短光パルス発生 / 波長変換 |
研究概要 |
平成7年度は主に、進行波型半導体レーザ増幅器による4光波混合、半導体レーザの発振偏光自己変調について検討した。具体的な内容は以下のとおりである。 (1)進行波型の半導体レーザ増幅器の中には、数10fs〜数100fsの応答速度をもつ光非線型性が存在するため、高非縮退4光波混合により超高速の波長変換を行うことができる。約900fsのポンプ光(周波数f_p)とプローブ光(周波数f_p)を半導体レーザ増幅器に注入した。ポンプ光とプローブ光を同時に入射すると、4光波混合により周波数2fp-fqに新しい信号光が発生した。この結果は、LD増幅器の光非線形性を用いた4光波混合では、世界で最短の光パルス間の混合を実現したものである。又、これまでに最大8THzの波長変換を実現している。 (2)筆者らはλ/4板を光軸に対して傾け、楕円偏光の光を半導体レーザに帰還することにより、広い範囲の繰り返し周波数で偏光自己変調による光パルスが発生できることを以前見い出した。本年度、活性層断面が正方形に近い狭ストライプ埋め込みヘテロ構造半導体レーザを用いたところ、λ/4板を傾けなくても光パルスの繰り返し周波数を連続的に変化できることを実験的に確認した。 (3)短光パルスの発生源として、半導体レーザのモード同期を検討した。能動モード同期半導体レーザから単一の高出力光パルスを得るため、出力光の一部を偏波面を90°回転してやや遅れて帰還させるという新しい方法を考案した。外部共振器の周回時間に一致した周波数で電流を変調すると、能動モード同期が実現でき光パルスが発生する。90°偏波面が回転した光が、遅れ時間をもって注入されると、クエンチングにより残留キャリアが除かれ単一パルスが発生できる。来年度は、この方法が1GHz程度の比較的低いくり返し周波数のとき、極めて有効であることを波長1.5μm帯の半導体レーザを用いて実験的に明らかにした。
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