研究概要 |
平成8年度の研究成果として、多波長面発光レーザアレー光源に関して、以下の成果を得た。 ア)面発光レーザの波長制御のための結晶成長法について、詳細な条件把握を行い、多波長面発光レーザ実現のためのデータを収集した。波長間隔2nmの3×3の2次元多波長面発光レーザアレーを実現した。 イ)面発光レーザアレーの発振波長の温度無依存化のための新しい構成法を提案した。半導体のマイクロマシ-ニング手法を用いて製作するもので、材料の膨張係数差により等価的な共振器長を変移させ、発振波長が補償される新しい原理に基づく。この方法により、従来構造に比べて、その発振波長の温度係数を1桁以上低減し得ることを示した。 ウ)面発光レーザアレーの発振波長を高精度に合わせる新しい方法を提案した。マイクロマシ-ニングにより、プロセス完了後でも面発光レーザアレーの発振波長を素子ごとに10nm以上の広範囲に渡って制御できることをシュミレーションにより明らかにした。 平成8年度は,面発光レーザの低しきい値化、小規模な多波長アレー光源の実現など、当初計画に予定していた項目は概ね達成された。しかし、面発光レーザアレーの実装について問題点が明らかになってきている。今後は、デバイス設計の最適化と波長の零温度係数の可能性についてさらに検討を進めるとともに、アレー素子実装技術を完成し、高性能面発光レーザアレーの実現を目指していく。
|