研究課題/領域番号 |
07555014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
米津 宏雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90191668)
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研究分担者 |
宇治 俊夫 日本電気(株), 関西エレクトロニクス研究所, 担当部長
大島 直樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (70252319)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 超並列光接続 / 三次元積層集積回路 / 歪短周期超格子 / 低転位密度化 / Si基板上のGaAs選択成長 / GaP層の選択成長 / 原子状水素照射 / 微小発光・受光素子 |
研究概要 |
超並列光接続を有する三次元積層集積回路の実現には、微小電流動作および高集積が可能となる微小発光素子のSi基板上への作製が必要不可欠である。そこで、以下の順を追って研究を進めた。 まず、これまで研究実績のある多層(GaAs)m(GaP)n歪短周期超格子(SSPS)を用いて、Si基板上のGaAs層の低転位密度化をより一層図るために、初期成長層となるSi基板上のGaP層の高品質化を試みた。その結果、Si基板上のGap層をMEE成長することにより、成長初期に発生する積層欠陥の発生を抑制できることを明らかにした。この結果を応用して、Si基板上の高品質GaAs層上にInGap/GaAsダブルヘテロ(DH)構造の発光ダイオード(LED)を作製し、正常な発光特性を得た。これにより、Si基板上に高品質な発光デバイスを作製する見通しが得られた。 次いで、Si集積回路で用いる高品質なドライ酸化のSiO_2膜に小孔を設け、その小孔内に原子状水素を用いてSi基板上のGaAs選択成長を試みた。その初期成長層であるGaP層の選択成長において、GaP層の成長前に低温でP層を形成することにより、アンチフェーズドメイン(APD)の成長層への伝搬を抑制できた。そして、SSPS層およびGaAs層をMEE成長することにより、低欠陥密度の選択成長層が得られることが明らかになった。また、原子状水素を照射することにより、格子不整合を緩和する際にヘテロ界面に導入されるミスフィット転位を電気的に不活性化できることも明らかにした。 これらの研究結果は、微小受光素子の作製にも適用できるものであり、積層集積回路における超並列光接続の具体的な構造を検討することができるようになった。 本研究によって、三次元積層集積回路に必要な超並列光接続を実現するための、高品質かつ高信頼度の微小発光・受光素子を実現するための基礎的な技術が得られた。
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