研究課題/領域番号 |
07555024
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
応用物理学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志水 隆一 大阪大学, 工学部, 教授 (40029046)
|
研究分担者 |
津野 勝重 日本電子(株), 電子光学本部, 室長(研究職)
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
木村 吉秀 大阪大学, 工学部, 助手 (70221215)
高井 義造 大阪大学, 工学部, 助教授 (30236179)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 能動型画像処理 / 加速電圧変調 / 実時間処理 / 高分解能電子顕微鏡 / 無球面収差観察 |
研究概要 |
本研究では、実時間で無球面収差の高分解能電子顕微鏡を開発試作した。 その実現にあたって必要となる加速電圧変調システムを製作し、JEM-100C FEGに装着してその総合特性評価を行った。得られた成果は次の通りである。 (1)変調波形は加速電圧安定化回路の誤応答により劣化していたが、補償波形の入力により改善できた。 (2)電子顕微鏡周辺の交流的な漏洩磁界が空間コヒーレンス劣化に大きく影響していることが分かった。 (3)電子銃の陽極電圧の変動によって生じる照射電子線強度の短期的変動が無視できないことが分かった。 加速電圧変調が実現できることを確認したことにより、処理要素が全て完成し、実時間能動型電子顕微鏡法の実現への見通しを得た。しかしながら、現在使用している電界放出型電子顕微鏡の老朽化が進んでおり、照射電子線強度がビデオフレーム時間内で変動することが避けられないため、本来目的としていた実時間処理による球面収差補正像の観察ができなっかった。この度、電子線の強度変動を解析した結果、電界放出型陰極の動作特性劣化の他に、陽極用電源に周期的なスパイクリップルが現れていることが分かった。後者の問題点は通常の市販の高分解能電子顕微鏡の電源にも見られるものである。従って、実時間処理を実用化するには、陽極電源を含めた加速高電圧電源のスパイクリップルに対する抜本的な対策が必要となることが明らかとなった。
|