研究概要 |
接触問題は機械や構造物の高強度化・高性能化を図る上で基本的な問題であり,従来から古典的弾性論に基づく応力解析が研究されている.これらの解析結果は多くの接触問題に共通する基本的な知見であり、複雑な実際問題を取り扱うための有用な指針であるが,一般の技術者にとっては難解であるため有効利用されていなかった.本研究では,接触応力解析に関する従来の基礎的な知見を整理・総合し,機器設計における接触応力の評価を支援する知的データベースシステムを開発することを目的とした.本システムは以下の点を重視している. (1)解析モデルとそれに対応する解析結果を図式的に表示することにより,実用性を追求する. (2)人工知能的手法を適用することにより,実際問題と解析モデルとの対応づけを支援するアルゴリズムを開発して,利用者に的確な指針を容易に提供できるようにする. (3)近年のコンピュータネットワークの発展に鑑み,ネットワーク環境の下で利用できるシステムを開発して,システムの実用上の便を図る. 本年度の成果は以下のとおりである. (1)前年度に引き続き文献調査を行い,データの充実を図った. (2)(1)の結果に基づきシステムの詳細構造(特に図式表示などのユーザインターフェイス)の充実を図り,実用に適したシステムを製作した. (3)(2)の結果に基づき,システムを運用するためのネットワークを構築した. (4)完成したシステムを総合的に評価し,開発成果を総括した.
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