研究課題/領域番号 |
07555036
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊東 誼 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016441)
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研究分担者 |
真鍋 鷹男 東芝機械株式会社, 中央研究所, 所長(研究職)
橋詰 等 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (50218400)
稲場 千佳郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10223231)
割澤 伸一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (20262321)
新野 秀憲 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (40196639)
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キーワード | 多重主軸 / システムマシン / 生産システム / FMC / 通風冷却 / 熱変形 / 工作機械 / 軸受転走面一体化主軸 |
研究概要 |
本年度が最終年度であることから、平成7年度に引き続いて研究代表者及び分担者は所期の研究目的を達成するために各種の要素研究を遂行し、以下のような、多重主軸形システムマシンの開発に関する新たな知見を得た. (1)次世代生産システムに適合するシステムマシンを合理的に実現するため、その最も重要な構成要素である主軸系を対象として、多重主軸構造のプロトタイプを設計・製作した.具体的には、前年度までに基本構造を構築した二重主軸に対し、その熱的特性の能動的制御を可能とすることを目的とした通風冷却システムを組み込み、その有効性を示すとともに、主軸系の熱的・力学的特性に支配的に作用する因子を明らかにした. (2)二重主軸の熱的・力学的特性は、内主軸系と外主軸系をそれぞれ一つの熱システムと考えたとき、この両者の熱的バランスにより決定されることを明らかにした.また、この熱的バランスの形成に重要な役割を果たすと考察した主軸系内の空隙部に対して通風冷却を行った結果、当該部分の冷却を行うことで、主軸系全体の熱変形挙動を制御可能であることを実験的に明らかにした. (3)多重主軸構造における構成要素間の熱移動を記述するための熱的相関モデルを提示し、今回構築した二重主軸構造を対象に、各構成要素の熱収支を集中熱容量法を用いて定式化することにより、各種運転条件における熱的特性を評価可能であることを示した. (4)多重主軸のような、複雑な構造を有する主軸構造を構築する際に問題となる「構成要素部品数の増加とそれに伴う主軸の運動精度確保の困難さ」に対処する一方策として、内輪の無い転がり軸受を用いる「軸受転走面一体化主軸」の適用を提案し、その際に基本的に重要となる当該主軸構造の静的・動的特性を検討した.その結果として、軸受転走面一体化主軸の基本的構造特性及び、工作機械主軸系へ適用する際の技術資料を提示することができた.
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