研究概要 |
本研究では、エキシマレーザーを用いて基板表面凝集相における光化学反応を行った。分子が高密度に存在する液相状態の凝集相を利用すると高い成膜レートを達成できる可能性がある。炭素系薄膜生成のため、液体温度まで冷却したCH_4,C_2H_6を材料とし、エキシマレーザーを照射したが、レーザー光による分解を確認しただけで、成膜に至らなかった。ダイヤモンド基板上にCH_4凝集相を生成しレーザーを照射したが、膜の成長は確認できなかった。SiH_4とCH_4,C_2H_6の混合凝集相を用いた場合、μc-Siは生成できたがCH_4,C_2H_6の解離は起こらなかった。C_6H_<12>凝集相にレーザーを照射しダイヤモンド合成を試みた結果、結晶サイズの小さいグラファイト(PG)が生成された。また、C_6H_<12>を凝集相としレーザーを照射した場合は、無定形炭素(GC)が生成された。以上、炭素系材料の分解は確認でき、レーザーの照射強度および成膜状態から見て光化学反応が誘起された可能性は高い。
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