研究課題/領域番号 |
07555041
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
遠藤 勝義 大阪大学, 工学部, 助教授 (90152008)
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研究分担者 |
押鐘 寧 大阪大学, 工学部, 助手 (40263206)
片岡 俊彦 大阪大学, 工学部, 教授 (50029328)
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キーワード | 光化学反応 / 低温凝集相 / 2光子吸収 / 1光子吸収 / エキシマレーザー / Si系薄膜 / C系薄膜 |
研究概要 |
本年度は、低温凝集相としたSiH_4からのSi成膜を試み、膜の評価も含めて本研究の有効性を調べた。同様の成膜法により炭化水素からのダイヤモンド成膜の可能性についても検討した。 実験では、合成石英基板上にSiH_4の低温凝集相を発生させ、そこにKrFエキシマレーザ(波長248nm)を照射した。通常、SiH_4はKrFエキシマレーザをほとんど吸収しないが、レーザースポットを絞ることで照射強度を上げ、2光子吸収過程を利用したところ、SiH_4が分解されSi膜が生成された。この膜は、連続膜ではなく、密集した柱状生成物から成り、ラマンスペクトルにおいては523cm^<-1>にc-Si(クリスタルシリコン)特有のピーク(4cm^<-1>FWHM)が確認できた。つまり、柱状生成物の各々は、アモルファス成分をほとんど含まず非常に結晶性がよいことが分かった。この成膜過程については、2光子吸収による成長核の形成ののち、1光子吸収による核成長が支配的となるモデルを考案し、新たな核の発生が抑制され核のみが選択的に成長する成膜プロセスを提案した。 この結果を踏まえて、SiH_4と構造のよく似たCH_4の低温凝集相を発生させ、ArFエキシマレーザ(波長193nm)を照射した。この実験では、ダイヤモンド成膜を試みたわけだが、生成物のラマンスペクトルには、1350cm^<-1>および1600cm^<-1>にピークが確認され、無定形炭素の成膜が行なえることが分かった。実験条件の改良により、膜質の良い炭素膜が得られる可能性が示された。
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