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1997 年度 実績報告書

製品洗浄工程をなくす超音波振動付加によるしごき加工システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555043
研究機関九州大学

研究代表者

尾崎 龍夫  九州大学, 工学部, 教授 (40037742)

研究分担者 岩下 寛之  東洋鋼鈑(株), 技術研究所, 副主任研究員
坂口 雅司  昭和アルミニウム(株), 研究開発部技術研究所, 所長(研究職)
山崎 進  九州大学, 工学部, 助手 (70037993)
竹増 光家  九州大学, 工学部, 助教授 (40207006)
キーワードしごき加工 / 表面仕上げ / 表面粗さ / 潤滑剤 / 焼付き / 超音波振動 / ラッピング / 感光ドラム
研究概要

昨年度までの研究で,超音波振動付加円筒しごき加工装置の基本的最適化を完了した.本年度はこれを用い様々な加工条件およびスケジュールで,超音波振動付加連続多段円筒しごき加工実験を行い,最終目標製品の加工を試みた.本研究では当初からしごき加工製品の洗浄工程の簡略化または省略することを目的としていたので,本年度は後処理が容易な低粘度の潤滑剤(例えば揮発性潤滑剤など)のみを用いた.新たな試みとして,通常のしごき加工性向上の通念に反し,パンチ表面をラッピング加工すると共に,これにも低粘度潤滑剤を塗布して実験を行った.これにより加工中の超音波振幅の減衰量が大幅に減少すると共に,しごき加工荷重が80%以上も減少した.これは加工中試料とダイスの境界面に十分な隙間が生じ,潤滑剤が流入することにより,潤滑性能が大幅に向上したためである.さらにこれまでの研究から,試料表面のごく浅い部分(深さ0.1μm以下)に,極めて焼付きを発生しやすい層があることが判明していたが,これを800番の耐水ペ-パで取り除くことにより,潤滑油の種類に関わらず,1段のリダクションが30〜40%の厳しい加工条件でも問題となる焼付きを全く発生しなくなった.加工した試料表面性状を3次元表面粗さ解析システムにより詳細に調査した.その結果全段のリダクションが60%の場合,超音波を付加した場合には2段階の加工で最終目標の仕上げ面精度(Ry≦0.5μm)に達したが,付加しない場合には5段階以上かかることが分かり,表面粗さ向上の点からも超音波を付加することの効果が確かめられた.以上の結果から,しごき加工装置や工具および試料の最適化,さらに低粘度潤滑剤の利用などにより,本研究の目的であった."製品洗浄工程をなくす超音波振動付加によるしごき加工システムの開発"は充分に達成された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 尾崎 龍夫 他5名: "超音波振動付加による円筒しごき加工装置の開発" 平成8年度塑性加工春期講演会講演論文集. 357-358 (1996)

  • [文献書誌] 尾崎 龍夫 他5名: "超音波振動付加しごき加工に関する研究" 第47回塑性加工連合講演会 講演論文集. 357-358 (1996)

  • [文献書誌] 尾崎 龍夫 他5名: "アルミニウム押出し管の多段しごき加工による精密表面仕上げ(押出し材のしごき加工性改善と3次元表面粗さ解析)" 塑性と加工. 38巻・432号. 81-86 (1997)

  • [文献書誌] 尾崎 龍夫 他5名: "超音波振動付加しごき加工によるアルミニウム管の精密表面仕上げ(装置の試作と基礎実験)" 塑性と加工. 38巻・442号. 53-58 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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