研究概要 |
本研究は加圧熱収縮を利用し、超微小プラスチック歯車を創成したことについて述べたものである。機械システムを微小化することにより、より微小な動きを実現できる。プラスチックは多くの長所を持つている反面、短所もいくつかある。実験では、多軸延伸法によりフイルム状にしたプラスチック板にプレス加工を行った。プレス加工することで、高精度な歯車が得られる。その後、加圧熱収縮により超微小歯車を得る。収縮率は多軸一様であるため、機械加工精度はそのまま保たれる。 実験の結果、モジュール0.04,外径1mm以下の歯車の製作が可能となった。歯形精度、寸法精度も高く、今までにない高精度の歯車を得ることができた。これらの歯車は歯幅の大きいものが可能であり、多くの応用が期待される。 平成7年度は軸穴加工用プレス治具を設計、製作した。平成8年度の研究は一次加工でプレス加工用ダイとパンチのクリアランスの補正および、パンチの食い込み量の補正を行なうことにより、より高精度な歯車を加工し、二次加工として加圧熱収縮加工を行うことができた。実験の結果として、超微小プラスチック歯車の外径と軸穴の内径を測定した。高精度の歯車を得ることができ、加工による再現性が得られた。これらの加工技術の確立により、マイクロギヤポンプの製造が可能となった。この加工方法により今後、ギヤポンプを利用した装置の開発が期待される。
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