研究概要 |
本研究課題の研究実績を経過順に記述する. 1.3次元希薄気体流の解析ソフトの開発 開発されたソフトをエッチング装置内の3次元希薄流の解析に適用した.その結果,アルミニウムのエッチンググレートのプロフイルは装置出口の圧力に大きく依存していることを明らかにした. 2.希薄気体中での放電と生成プラズマの解析ソフトの開発 1)直流外部電場の場合 1次元直流グロー放電の構造解析にこのソフトを用いて圧力,印加電圧,およびγ係数の影響を明らかにした.さらに両電極間におけるプラズマ密度の空間的振動現象を新たに見つけた. 2)高周波外部電場の場合 このソフトは高周波グロー放電の1次元構造解析のために開発された.ソフトでは既存の実験データに基づいてイオン-原子衝突の簡単なモデルを提案し,採用することによって1次元高周波放電構造の解析に成功した.さらに電極におけるチャージアップの影響を明らかにした. 3.直流グロー放電の3次元構造解析ソフトの開発 先に直流グロー放電の1次元構造解析ソフトの開発を行っているが,引き続いて3次元放電構造の解析ソフトの開発を行った.このソフトにより平板電極間の放電の3次元構造を明らかにした.すなわち電場の空間分布および放電のマイクロパラメータを示した. 4、軸対称直流マグネトロン放電の構造解析ソフトの開発 このソフトを磁場のある場合の軸対称グロー放電の構造解析に用いて,電場および荷電粒子密度の磁場による影響を明らかにすることができた. 5.開発された各種ソフトの実験による検証 開発済みソフトの実験による検証をするために,直流・高周波両用グロー放電装置を製作した.平成8年度は直流グロー放電解析ソフトの検証が進行中である.引き続いて平成9年度には高周波グロー放電の実験を行い高周波解析ソフトの検証を行う.これにより3年度にわたる3次元希薄プラズマ流の解析ソフトの開発と実証は終える予定である.
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