研究概要 |
均一系の機能性流体として液晶を用い,マイクロダンパーおよび流体潤滑システムの開発を中心に行った。まず,ガラス電極で十分狭いすきまを持つ平行平面間の流路を作成し,二面間の印加電圧を液晶が一様な配向状態から電気的不安定性現象に至るまで変化させて,そのときの流動状態を調べた。その結果,数十μm程度のすきま内の液晶の流れに電圧を印加する事により最大で4から5倍程度流動抵抗を変化させられることがわかった。また,その流動抵抗は印加電圧により増加し,すきまが小さいほど大きな効果が得られることが明らかとなった。さらに交流電場を印加した場合の効果と周波数による影響を調べた。そして,直流印加時に得られた結果はおもに電気的不安定性現象に起因していることが流れの可視化から判明した。なお,これらの新たに解明された事実は裏面に示す講演会にて公表する予定である。 また,レオメーターのセンサ部を改造し,二円盤間の流れによる潤滑性能の試験装置を設計・作成した。実験によるデータを取り始めたところであり,マイクロダンパーの実験結果に対応する結果が得られており,次年度にかけて本格的な試験を行い,電場印加による液晶の潤滑特性への影響を解明する予定である。さらに,これらの実験と並行して流路の流れ方向に電場を印加し,液晶の流れを発生させる実験も試みており,現在は基礎データを得ている段階である。 なお,これらの実験に用いる液晶の基本的物性も測定し,その上で実験に供した。
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