研究概要 |
本年度においては,フロント・エンド・マシンとしてDOS/Vシステムを導入し,DOS環境でのプログラム開発を可能とすると共に8個のT9000トランスピュータを結合したシステムを試作した.1トランスピュータモジュールあたりの記憶容量は16MBであり,トータルとして128MBの記憶容量を実装している. 解析コードの開発環境はMS‐DOS・Windows・Windows NTが使用可能であり,FortranにT9000トランスピュータ用のメッセージパッシングライブラリを実装したCDAC Fortranを用いる.T805トランスピュータにおいて開発した非粘性圧縮性および非圧縮性粘性流れ用の並列計算コードはT9000用に移植作業を行っている. 仮想現実環境はSuper Scape VRTに加え,立体視を行うためのCrystal eyesを使用することで実現している.現在のままのシステムでは計算の実行と計算結果の表示が完全に分離したシステムとなっているために非定常流れの可視化が困難となっているため,解析コードの実行環境と仮想現実環境を統合し,計算と計算結果の表示までを一貫した環境で行えるシステムを現在考案中である. 本年度についてはトランスピュータモジュールの製作会社が震災の影響により業務に支障をきたしたために並列演算機部の試作が大幅に遅れ,研究の遂行の大きな支障となったが,次年度については問題なく研究の遂行が可能である.
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