研究概要 |
平成7年度は,実際の条件である減圧下の水蒸気-水系のかわりに,水ジェットによって,気泡が同伴される様子が観察でき,かつ水上置換によって空気同伴量が測定できるように,アクリル樹脂で実験装置を製作し,大気圧下の空気-水系を用いて,主に基礎的部分に重点を置いた実験を行った. すなわち、ノズルの穴個数を1個とした単一孔ノズルを使用して,ノズルの穴径をφ=4および6mmの2種類,ノズルから噴出した水ジェットが,衝突する液面までのノズル高さを100から800mmまで100mm間隔で8種類,水ジェットの噴出速度を4,6,8,10m/sの4種類およびノズルをガイドする供試管の内径を21,28,42mmの3種類変えて実験を行うなど,同伴される気体エントレインメント量に関係すると考えられる諸パラメータの影響を調査した. これまでに得られた知見は,以下の通りである. (1)供試管内に形成された液面からのノズルの高さが高いほど,気体のエントレインメント流量は増大する.しかし,供試管が小さい場合には,あまり高くすると逆に広がった噴射ジェットの液滴が供試管表面に付着して流下し,液面へ突入する水ジェットが減少するため,気体のエントレインメント流量は減少する. (2)水ジェットの速度は大きいほど,ジェットの液面への突入エネルギが大きいため,気体のエントレインメント流量は増大する. (3)水ジェットの速度が同じであれば,ノズルの内径が大きいほど,水ジェットの流量が多いため,気体のエントレインメント流量は大きい.しかし,流量を同じにした場合,水ジェットの速度が速くなる内径の小さいノズルのほうが,気体のエントレインメント流量は大きい.
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