研究概要 |
平成8年度は,平成7年度に引き続き,体気圧下の空気-水系を用いて,水ジェットによる気泡の巻き込み量の測定など,主に基礎的部分に重点を置いた追加実験を行い,抽気装置設計に必要なデータの収集を行った. すなわち,ノズルの穴個数を1個とした単一孔ノズルを用いて,ノズルの長さ,ノズルの穴径,ノズルから噴出した水ジェットが衝突する液面までのノズル高さ,水ジェットの噴出速度およびノズルをガイドする供試管の内径を変えた追加実験を行うなど,同伴される気体エントレインメント量に関係すると考えられる諸パラメータの影響を調査した.また,データ量はまだ充分ではないが、ノズル穴が複数の場合についての結果も一部得られはじめている. 本研究で得られた知見は,以下の通りである. (1)ノズル入口部の形状については,ノズルの長さが長いほど,気体エントレインメント流量はわずかに減少する傾向にある. (2)供試管内に形成された液面からのノズルの高さが高いほど,気体のエントレインメント流量は増大する.しかし,供試管が小さい場合には,逆に広がった噴射ジェットの液滴が供試管表面に付着して流下し,液面へ突入する水ジェットが減少するため,気体のエントレイメント流量は減少する. (3)水ジェットの速度は大きいほど,ジェットの液面への突入エネルギが大きいため,気体のエントレインメント流量は増大する. (4)水ジェットの速度が同じであれば,ノズルの内径が大きいほど,水ジェットの流量が多いため,気体のエントレインメント流量は大きい.しかし,流量を同じにした場合,水ジェットの速度が速くなる内径の小さいノズルのほうが,気体のエントレインメント流量は大きい.
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