研究課題
1.平成8年度の研究の概要本研究は、地域冷房における冷熱の高密度輸送を氷-水混相流により実現する技術の開発を目指すものであり、3年計画の第2年である平成8年度の実施内容は概略次の3種に分類される。1)昨年度行なった流動及び伝熱特性に関する実験結果から、実際の場合についてこれらを予測する法則を導きこれを公表し、有用な技術情報として社会に提供する。2)氷-水混相流の流動伝熱装置・測定機器を、昨年度確認した原理に基づいて製作する。3)システムの実用化に必要とされるが、これまでに製作されていない装置・機器の開発。2.平成8年度の具体的実績(1) 円管内氷-水混相流の流動特性:これまでの実験結果から、実際に地域冷房システムで用いられる水平な円管路における圧力損失を予測する方法を確立し、一般に公表した。また、冷熱を需要者に分配する際に用いられる分岐管における氷分配特性とエネルギー損失について実験を行ない、この結果を公表した。(2)管内氷-水混相流の氷分率を実時間測定する測定器を製作し、その特性が実用的要求を満足するものであることを確認した。また、分岐管の枝管に分配する氷の流量を制御する装置を開発した。(3)氷-水混相流利用冷房において有効と考えられる直接接触式熱交換器の開発の基礎として、その熱伝達特性を実験的に調べた。さらに、今後、実用化へ向けての課題となる、蓄熱槽の構造とこれに付随する氷の供給装置、撹拌装置及びそれらの氷分率の計測装置についての基礎的研究を行なった。
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