研究分担者 |
中村 久 豊田工機(株), 工作機械開発室, 研究員
鈴木 正俊 東北大学, 工学部, 教務職員
千田 陽介 東北大学, 工学部, 助手 (60270815)
王 磊 東北大学, 工学部, 助手 (30241524)
荒川 章 東北大学, 工学部, 助教授 (60184264)
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研究概要 |
本研究は,大出力サーボアンプの発生する電気ノイズによるサーボコントローラの誤動作を避けるために一般に用いられているノイズ低減用ロ-パスフイルタを取り除き,ロ-パスフイルタの遮断周波数で制限されているサーボコントローラの回路の動作速度の向上を図る開発研究である. サーボコントローラの制御分解能を犠牲にすることなく耐ノイズ特性を向上させるために、江村の提案になる2相型PLLを使用することとした.従来の2相型PLLは,アナログ回路主体のため,調整箇所が多い上に,回路定数の経年変化により定期的に再調整せねばならず,また,高精度のアナログ乗算器を多用するため,製造コストが高く,汎用コントローラへの応用が妨げられていた. そこで平成7年度は,2相型PLLの耐ノイズ性の高さや高速高分解能などの優れた特徴を生かしたまま,回路の一部を高速マイクロプロセッサによる演算回路に置き換え,回路定数の変化を抑えるとともに調整箇所を減らし,製造コストが低く耐ノイズ性に優れた汎用サーボコントローラの開発を試みた.具体的には,高精度エンコーダから得られる2相正弦波を2相型PLLにより高分解能で内挿し,この内挿パルスを可逆カウンタで計数してエンコーダの回転角を得た.内挿に2相型PLLを用いているので,大出力サーボアンプの発生する強力なノイズ環境下においても,正確ない位置が読みとれる. 回路は,133MHzの高速マイクロプロセッサで制御されるように設計したが,この作業にはプリント基板用CADシステムが役立った.また,出来上がった制御システムの調整にはサーボアナライザが大変有効であった.現在,実際の工作機械を用いて試作したサーボコントローラの制御特性の試験を行っているところである.
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