研究概要 |
プラント設計時には,多くの基礎データ,参考データを設計者が扱いながら,設計図書(いわゆる計算書など)をまとめ,それを最終的な図面へとまとめ表現して行く。その過程で,機械設計の分野では,3次元的な内容を扱うことが多い。この内容(データ)の情報量は時によっては莫大なもので,それを総合的に記憶し,判断して,目標とする与件と照合しつつ,設計成果を導出する。この過程をいかに巧みに,エラーをすくなく行うかは,設計者の技術的経験と直観にたよるところが大きい。 従来は,このための基礎データ,参考データ,また中間の成果物としてのデータを,紙の上に図化,表化して,それを繰りながら作業を実施した。しかし近年では,コンピュータ・グラフィックスのための計算機と,それをサポートするソフト・ウェアの発展が目ざましい。 本研究は,異形タンクのスロッシング現象などいくつかの,多次元構造物・システムの動的応答などを,コンピュータ・グラフィックス上に設計行為をふまえて適切に出力し,直接設計行為に結びつけるシステムの開発を行うことを研究の目的とした。その過程として,表示しなければならない内容を,実験,既存のプログラムの出力,新規の解析法による出力結果,多量の情報の要約(Neural Networkによる),などについて試みた結果,これらの色彩化が最も重要であることが判明した。この色彩化は,従来直観的に,あまり深い考察をされずに行われていたが,それを計算機システムを通じ自動的に,ある場合には,多量の情報を要約して,一つの色彩として表現することも含め研究した。この過程で,見る側の視線の動きが重要であること,また,近来のゲームの流行,体験が,最近の若い技術者にとって,色彩面を通じて,上述の研究の結論に大きな影響を及ぼしていることを知り,必要な手法を開発し,あるいは被験者を用いてその特性の測定を試みた。
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