研究課題/領域番号 |
07555086
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山岬 裕之 東京工業大学, 原子炉工学研究所 (50016531)
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研究分担者 |
入野 光博 三菱重工業, 高砂研究所, 主務
大久保 雅章 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (40223763)
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キーワード | プラズマMHD発電 / 発電性能 / 圧力損失 / 放電構造 |
研究概要 |
平成7年度は、まず既設の発電器を用いて発電効率を低下させる最も大きな要因となっている圧力損失の機構について調べた。そのため従来の研究では成されていなかったぜんあつの空間的な分布測定を試み、圧力損失の大部分が、発電機上流部の超音速ノズル内で生じていことを見いだした。また、この圧力損失は、流体のエネルギーがプラズマの加熱にのみ使用され、電気として有効に取り出されていないことによることが分かった。すなわち、効率低下の要因である圧力損失が主なる発電領域であるアノードとカソード間に生じているので花区、その上流に設けられたノズル内で生じていることを発見した。従って、性能向上のためにはノズル内の圧力損失を低減することが最も重要であることを指摘した。さらに、種々の圧力とシ-ド率の条件下で発電実験を行い、発電性能を最高にする最適シ-ド率が存在することが分かり、また放電の空間的構造と発電性能との関係を明らかにし、どのような運転条件でもシ-ドを完全電離させ放電を空間的に一様にすることが性能向上につながることを明らかにした。さらに、本実験によりこれまでの最高の出力密度110mw/m^3を達成することができた。このように、科研費の交付により、既設の発電機を用いて学術上非常に大きな新しい知見を得ることができた。これらの成果を平成7年9月におこなわれた電気学会主催の研究会で発表したが、参加者の大きな関心を集め、本研究代表者としては誇ることのできる研究成果であったと考ええいる。 さらにこれらの実験結果に基づき、ノズル内での圧力損失を低減する電極配置を採用した新しい発電機の設計、製作を行っている。新発電機を用いた実験では、効率向上のために最も重要な圧力損失が極めて少ないという少ないという結果を得ており、現在発電出力を最高にする運転条件を模索する実験を行っており、平成8年度には当初研究目的を達成できるという見通しを得ている。なお、これらの研究結果は、平成8年に日本で開催される第12回MHD発電国際会議で公表されることが決定している。
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