研究概要 |
本研究は,主に高速増殖炉における冷却材(ナトリウム)ならびに溶融金属用の電磁ポンプの大型化に対する構造を検討し,試作モデルを実現するものである。この電磁ポンプとして,磁束収束作用と2重励磁構造によるアニュラリニア形電磁ポンプを提案した。この電磁ポンプに対して,以下の項目について試作および検討を行った。 1.二重励磁構造の磁束収束形電磁ポンプ 大ギャップを磁気回路に持つ電磁ポンプの特性の限界を渦電流による磁束収束効果により,磁界分布を制御し画期的に改善した磁束収束形電磁ポンプを大容量化へと発展させる二重励磁構造を考案した。 2.設計・試作の完成 二重励磁構造の磁束収束形電磁ポンプのモデル装置を設計・製作した。製作にあたって,内部励磁部の放熱,コイルの接続,液体金属の管構造,流体抵抗の減少法,組み立て手順,組み立て金具等多大な労力により完成することができた。 3.低融点金属Uアロイによる実験系製作と実験の遂行 Uアロイによる温度70度定温とした動特性測定(流量,流速,推力,温度等)の可能な循環系を製作した。製作した電磁ポンプを系に接続し,シミュレーション結果と比較し,特性の改善を確認した。詳細な検討は次年度継続して測定する。 4.シミュレーションによる確認 提案した電磁ポンプの比較による検討のため,電磁界数値解析によるシミュレーションにより検討を行った。有限要素法に基づいたシミュレーション結果により,ナトリウム等の銅の導電率の10%程度の高導電率の液体金属では70%の推力改善が得られるが明らかになった。
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