研究課題/領域番号 |
07555096
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 承生 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30199236)
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研究分担者 |
今井 克宏 日本ガイシ(株), 機能部品研究所, 研究員
島村 清史 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90271965)
谷内 哲夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (80260446)
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キーワード | 第2高調波発生 / 青色レーザー / 非線形光学結晶 / 単結晶成長 / マイクロ引き下げ法 / 連続チャージ法 / 光学特性評価 / 特性の均一化 |
研究概要 |
マイクロ引き下げ(μ-PD)法作成K_3Li_<2-x>Nb_<5+x>O_<15+2x>(KLN)マイクロ単結晶を用いた青色第2高調波発生(SHG)デバイスの実用化のため、作成結晶の高品質化、及び非線形光学特性評価を行った。 SHGデバイス実用化のため、バルクサイズ(直径約1mm)のマイクロ結晶作成を試みた。その結果、TSSG法など従来の手法ではバルクサイズKLN結晶作成は非調和溶融組成を有するために困難であったが、μ-PD法によりその安定成長に成功した。高品質化検討のために作成結晶の成長方向、及び面内均質性を検討した結果、それぞれにSH光強度分布の不均一性が観察された。 SH光強度分布の不均一性の原因として屈折率のばらつき、即ち微小な組成の変動、格子の歪み、結晶外形の影響が考えられた。そこでEPMAにより作成結晶内の組成を調べてみたが、大きな組成変動は観察されなかった。そのため結晶径の細径化による熱移動差の減少、フラットな界面の形成、アニールによる応力の緩和等を試みた。その結果、断面特性の均質化には結晶径の細径化が最も有効であることがわかった。実用化に必要となる高速での作成を試みた結果、最大2mm/minという従来に無い高速でのクラックフリー結晶の作成に成功した。これらの結果と連続チャージ法の併用により、結晶内の不純物・組成を極めて厳密に制御可能であることが分かり、実用レベルの大型化、長尺化、高品質化条件を詳細に調べた。 作成結晶の位相整合波長許容幅等の非線形光学特性の詳細検討をおこなた結果、KLNマイクロ単結晶は従来の材料と比較し優れた特性を示した。Ti:Al_2O_3レーザーの照射実験をした結果、強い青色の発光が確認された。同時にマイクロ結晶等、小型非線形光学結晶用の詳細な光学特性評価技術の確立を行い、青・緑色領域レーザ開発への新しい指針を示した。
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