研究課題/領域番号 |
07555105
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 熊本電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
徳山 順也 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (40044698)
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研究分担者 |
葉山 清輝 熊本電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助手 (00238148)
大山 英典 熊本電波工業高等専門学校, 電子工学科, 助教授 (80152271)
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キーワード | SiGe / 放射線 / HBT / 照射損傷 / 電子線 / 中性子線 / 陽子線 |
研究概要 |
衛生通信用機器の構成素子としての利用が期待できるSiGeデバイスの放射線照射損傷に関する研究をこれまで行ってきた。本年度は、Ge含有量、面積、周囲長等をパラメータとして作製されたHBT (Hetrojunction Bipolar Transistor)とダイオードを試料に用いて、これらの放射線損傷について調べた。試料の作製はベルギーのIMECにて行い、SiGe層の成長には、UHVCVD (Ultra High Vaccum Chemical Vapor Deposition)法を用いた。電子線と陽子線および中性子線の各種放射線の照射は、日本原子力研究所・高崎研究所および立教大学・原子力研究所にて行った。照射後、電流/電圧(I/V)特性、容量/電圧(C/V)特性、DLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)特性及び容量/温度(C/T)特性の測定より、電気的特性と結晶学的特性の両面からデバイスの損傷機構を総合的に考察した。 放射線の照射により、SiGeダイオード、HBTともに電気的特性は劣化した。低い照射量での損傷には表面や界面領域の損傷が、高い照射量ではSiGe量の損傷が電気的特性の劣化に寄与していることが、I/V特性、C/V特性、及びDLTS測定の結果の比較から分かった。異なるGe含有量のデバイスの損傷について比較したところ、Ge含有量の大きいものほど損傷が少ないことが分かった。また、異なる線源による照射損傷を比較したところ、電子線と中性子線では中性子線照射による損傷が電子線のそれと比較して2〜3桁大きいことが分かった。また、陽子線照射による損傷は中性子線と同程度であった。これらの結果は、照射によるはじき出し原子数や吸収エネルギーの理論計算から導き出した結果とオーダー的に一致した。 SiGeの成長を行うために、マグネトロンスパッタ装置の改良とRHEEDの購入を行った。来年度からマグネトロンスパッタ法によるSi_<1-x>Ge_xの成長とデバイス作製及び評価を行う。
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