研究概要 |
本研究では、光電子集積機能デバイスの面発光化を目指し、マイクロマシ-ニング法を用いて独自の面発光化の方法を検討した。以下にその結果をまとめて記す。 [1]電子ビーム露光器(EB)および反応性イオンエッチング(RIE)を用いたマイクロマシ-ニング法により,InP基板上に円形回折格子を均一に形成するための,種々の条件を検討した。EBの条件としては加速電圧:30kV,電子ビーム電流:2.0X10^<-11>A,ド-ズ量:27μC/cm^2が最適であり,RIEの条件としてはCH4:H2=1:3,左力:58mTorr,RF電力:200Wが最適であることを見いだした。これにより0.4μm周期の非常に均一な円形回折格子が形成できるようになった。 [2]作製した円形回折格子を液相成長にて均一に埋め込む条件を探り,成長温度としては620℃が,過飽和度としては15℃が,冷却温度としては6℃が最適であることを見いだした。円形回折格子埋め込み後,両方位に応じてわずかな形状の違いが見られたが,円形回折格子が保存されたまま埋め込めることが分かった。 [3]2で成長したウエハに対し,デバイス加工を行った。回折格子をもたないデバイスも同時に作製し,エレクトロルミネッセンス測定や,近視野像の測定を通じて,円形回折格子により光が上方に十分強く取り出されていることを確認した。このような基礎測定ののち,実際に電流-光出力特性を測定することにより,本デバイスがレーザ発振することを確認した。 [4]現在,さらなる動作電流の減少を目指して,電流および光閉じ込め構造の最適構造とそのためのプロセスの検討を行っているところである。
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