研究課題/領域番号 |
07555115
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白水 俊次 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (80259861)
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研究分担者 |
井上 正一 東芝リビングサービス(株), 主任(研究者)
押下 京一 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助教授 (90224229)
中澤 達夫 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (70126689)
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キーワード | X-ray Image / Image Plate / Avalanche effect / Zeroraduigraphy |
研究概要 |
平成7年度及び8年度購入のX線検査装置と、スーパーハ-ピコン形撮像管TVカメラを用い、X線による増感紙発光の撮像限界を測定した。変換効率は蛍光の発光波長と感光体の最大感度が重ならないと実効性は少なくなる。極低照度でこの効果を正確に調べるには、基準となる高感度の撮像系が必要である。一般のTV撮像管では画素面内の感度均一性、固定ノイズパタンが多く、暗い画像信号を長時間蓄積積して信号像倍を行う動作はできないが、高性能CCDを冷却すればこの動作が可能となった。この冷却CCDカメラを使って、X線蛍光発光の真の限界を定量的に基準付けることが本研究で始めてできるようになった。 この手法を用いれば静止被検体のX線蛍光像であれば、X線照射量が毎分マイクロレントゲンの桁、蛍光発光照度では10^<-5>ルクスの明るさの像を検知できる。この基準法を使うことによって、光増感紙を構成する蛍光体材料とスーパーハ-ピコン撮像管の感光材料との感光特性のマッチングを詳細に検討できる段階に初めて到達した。さらに平成8年度に購入したKIP方式のゼロラジオグラフ装置の実験および平成9年度に購入した画像処理用高速PC、通称MMXによる処理から、以下のような2つの結果を得た。 1)カルコゲナイト系材料でしかもアヴァランシェ効果を持つスーパーハ-ピコンのターゲット(感光体)ではX線蛍光発光用材料として、ガドリニウム系よりもZnS系蛍光体材料の方が僅かではあるが、感度が高いことが判明した。これは、発光輝度分布と撮像管ターゲットの受光感度分布のマッチングのためと考えられる。この実験では光学系による結合であるが、蛍光体と感光体を密着させるイメージプレートでは、蛍光体発光が10^<-4>ルクス、X線照射で毎分数10マイクロレントゲンでもNTSCTV方式で画像再生ができると推察される。 2)カルコゲナイト系材料のアヴァランシェ像倍はまだ撮像管という真空内でしか、実現されていない。大面積で、大気中で実現させるのが大きな課題であった。従来のKIPゼログラフ装置を使って、プレートに外部網状電極でX線照射中に電界をかけておく場合と、照射後に加える場合とで、画像の感度、輪郭部における強調効果などが大きく変化することが分かり、大気中でのアヴァランシェ像倍発生に手掛かりを得た。
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