研究課題/領域番号 |
07555127
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小杉 幸夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30108237)
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研究分担者 |
亀山 啓輔 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (40242309)
西川 潤一 東京大学, 医学部, 助教授 (00010322)
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キーワード | PET / ニューラルネット / 逆問題 / 不適切性 / MR画像 / 動的正則化 / 血流分布 |
研究概要 |
本研究ではPET画像のボケを修復する過程で生じる不適切性を排除するために可能な限りアプリオリ情報を用いることを意図している。 前年度の研究で明らかになったように、MR画像情報から得られる組織情報(灰白質、白質、脳脊髄液等の分布)をネットワーク構造の中に組み込むことで、解の限定はある程度可能であるが、解の安定科を計るために利用できるもうひとつのアプリオリな情報としては、解の関数の滑らかさの情報がある。これは、血流を対象としたPET画像では血流分布の空間的分布の滑らかさに相当し、数学的にはTikhonovの正則化として定式化される。特に、ネットワークインバージョンを用いて逆問題を解くという枠組みのなかでは、誤差エネルギー関数に、滑らかさを評価する正則化項を付加するという形でこの情報が生かされる。 本年度は、主としてとはネットワークインバージョンの逐次更新過程の中でこのような正則化を行うにあたり、正則化項のパラメータが誤差項の収束に伴い変化すべきであるという「動的正則化」の手法を新たに提案し、その有効性を基礎的な逆問題の例を用いて明らかにした。 また、PET画像の修復に対して動的正則化手法が具体的にどのように生かされるかについても擬似ファントムデータを用いて従来法との差を明らかにするとともに、正常被験者について心理負荷を与えて実測した脳のPET画像についても実験的検証を行いほ本法の有効性を確認した。
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