研究概要 |
我々は平成7年度で,既存のワークステーションに平成7年度予算で購入した入出力拡張装置とシリコンレンジファインダを接続し,基礎的な実験を行った.この装置では既に距離画像と濃淡画像を同時に取り込むことが可能となっており,それらの融合処理や効率的な処理手法について検討を行った. まず,空間中を運動する剛体を計測することを目的とし,ワークステーション内に構築した物体モデルが実空間中を運動する物体を追跡するシステムを開発した.剛体運動の6自由度を同時に計測するためには,濃淡画像と距離画像によりそれぞれ3自由度づつ計測し,それらを後から融合する手法が有効であることを発見した.また,2次元画像処理分野で一般的に用いられている画像処理装置・手法を濃淡画像に用いることにより高速処理を実現した.距離画像の処理と濃淡画像の処理を並列に実行可能であること,計測処理と比較用の画像をモデルから生成する処理も並列に実行することでさらに高速化を図ることが可能であることを発見した. 距離画像については,ワークステーションのCPUを用いることで処理を行ったが,極力画素単位に独立した処理とすることにより将来的に画像処理ハードウェアを用いた処理へ切り替えることを意識した研究を行った.濃淡画像の処理については,画像処理ハードウェアを用いて処理した.距離画像の生成にワークステーションのCG生成用ハードウェアを用いて高速化を図った. 対象物体を,剛体に限らず,関節を持つような変形物体へ拡張する試みも行った.関節は持たない各パ-ツごとに追跡処理を行い,その結果を統合することにより簡単な対象については運動と変形を同時に計測することが可能となった.
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