研究課題/領域番号 |
07555134
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川村 満紀 金沢大学, 自然化学研究科, 教授 (20019730)
|
研究分担者 |
谷川 伸 東亜合成(株), 主任研究員
五十嵐 心一 金沢大学, 工学部, 助教授 (50168100)
鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 助教授 (50115250)
|
キーワード | 融雪・融氷剤 / 塩化カルシウム腐食 / 化学的劣化機構 / 塩基性複塩 / 鉱物質混和材 / 高分子系表面塗布材 / アルカリ骨材反応 |
研究概要 |
本研究は、融雪・融氷剤(塩化ナトリウムおよび塩化カルシウム)のコンクリートの化学的劣化現象におよぼす影響およびそのメカニズムを解明することを目的としている。まず、融雪・融氷剤によるコンクリートの化学的劣化現象が発生する条件を明らかにするために、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウム溶液の濃度(5%、15%、30%)および温度(5℃、20℃、40℃)を変化させ、セメントモルタル供試体の浸漬材令にともなう強度の低下および膨張量の変化などを調べた結果、化学的劣化現象は塩化カルシウム溶液の濃度が20%以上の時にのみ発生し、塩化ナトリウム溶液では濃度および温度条件に関わらず劣化は発生しないことが判明した。また,X線回折、熱分析および電子顕微鏡によって塩化ナトリウムおよび塩化カルシウム溶液に浸漬したセメントモルタルの化学組成および内部組織の変化を調べた結果、セメントモルタル内の水酸化カルシウムの消失と複塩(CaO・CaCl_2・15H_2O)の生成が化学的劣化現象の主原因であることを解明した。融雪・融氷剤によるコンクリートの化学的劣化現象の防止対策としては、鉱物質混和材(フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフューム)の添加が有効であり、鉱物質混和材を使用したコンクリートの塩化カルシウム腐食に対する抵抗性をコンクリートの内部組織と塩化物イオンの浸透状況との関係より明らかにした。さらに、融雪・融氷剤のコンクリート内部への浸透を防止する目的で、高分子系表面塗布材およびポリマーセメントモルタルの遮塩性とその評価法についても検討した。
|