研究課題/領域番号 |
07555135
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小柳 洽 岐阜大学, 工学部, 教授 (30025928)
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研究分担者 |
栗原 哲彦 岐阜大学, 工学部, 助手 (50262746)
内田 裕市 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20213449)
六郷 恵哲 岐阜大学, 工学部, 教授 (40127155)
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キーワード | PC鋼材 / 応力-ひずみ曲線 |
研究概要 |
平成7年度においては、まずコンクリート曲げ部材の基本構成要素である補強鋼材の応力ひずみ関係を対象として、国内で生産されている各社のPC鋼棒1号および2号の応力ひずみ曲線関係の資料と国内外の各学協会でコンクリート部材の設計に用いられているPC鋼材の応力ひずみ曲線の収集を行った。また、PC鋼棒の応力ひずみ関係に関する調査資料をもとにして、はりの降伏終了点と鋼材の破断点との関係を求め、代表的な鋼材を用いた場合の降伏域でのはりの力学性状をシミュレーションによって求めると共に、降伏終了点において予測される鋼材ひずみを変化させたはり供試体の載荷試験を行い、はりの降伏域の力学性状ならびに破壊性状をはり中の鋼材伸びとの関係で検討した。さらに、兵庫県南部地震との関連で、圧接不良の鉄筋を補強材としたはりを作成し、破壊性状について検討した。 その結果、熱処理鋼棒においては1号と2号の両者の応力ひずみ曲線に基本的な差は見られず、熱処理鋼棒と圧延鋼棒の特性をもとに定められたこの区分が現状と必ずしも一致せず、終局限界をもとに断面設計を行う場合には、鋼材の応力ひずみ関係のモデルを再構築すべきであるという結論を得ており、モデルの具体的な検討に入っている。また、PCはりの載荷試験とシミュレーションにより、鋼材の降伏のみならず、特に強度破壊点以降の破壊過程の性状がRCはりと異なることから、従来の強度設計に加えて変形設計ならびに靱性設計の立場からの問題点が明確になった。また、圧接不良の鉄筋を補強材としたはりの載荷試験から、圧接部がモーメントスパンあるよりもせん断スパンに存在する場合の方がはりの破壊性状により影響があることが認められた。
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