研究課題
基盤研究(B)
(1)ハイブリッド・ケーブルを用いたニールセン・ロ-ゼ橋を対象とした試設計、および、それらの耐荷力解析を行った結果、新素材としてアラミド、あるいは炭素繊維を用い場合には、鋼ケーブルのみを使用する場合に比して、ケーブル本数を少なくでき、またケーブル定着部の数を少なくできて、経済性も発揮できうることがわかった。(2)高強度・高剛性という新素材の優れた機能を有効利用するために、Pultrusion法を用いて、鋼線のまわりに新素材を平行に束ねたハイブリッド・ケーブル素線を、種々試製作してみた。そして、その製作法の効率化・実用化についても、目処をつけた。(3)Pultrusion法で製作したハイブリッド・ケーブル素線に対して、引張試験、曲げ試験、および疲労試験を行った結果、ほぼ期待するものが、製作できることを明らかにした。(4)疲労試験結果によると、ハイブリッド・ケーブルは、十分な疲労強度を保有することがわかった。また、ハイブリッド・ケーブルの疲労強度は、新素材の疲労強度でなく、芯材である鋼線の疲労強度に支配されることを明らかにした。(5)側圧試験の結果によると、ハイブリッド・ケーブルは、側圧に対して極めて弱いことがわかった。そのため、サドル部、およびケーブル・バンド部の構造については、今後、十分に検討する必要がある。(6)ハイブリッド・ケーブル素線の引張試験の結果によると、ケーブルの定着部の構造は、十分な強度を有しており、またハイブリッド・ケーブルの定着部の製作法に関する見通しも立てた。(7)ハイブリッド・ケーブルを輪に巻いて輸送する場合に対しては、ハイブリッド・ケーブル素線の径が7mm以下であれば、搬送可能であることを明らかにした。
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