研究概要 |
本研究は,粘土と鋼材の接触面における摩擦挙動を精度良く再現できる試験装置の開発とその挙動の解明を目指したものである.具体的には,開発製作した試験装置を用いて粘土と鋼材の摩擦特性に及ぼす主応力の方向,応力履歴,拘束応力および鋼材の表面粗さの影響を明らかにし,その定量的評価法を確立して実務設計に適用できる方法を考察するものである.本年度得られた成果をまとめると次のようである. (1)三軸スライスせん断試験装置を開発,製作した. (2)本試験装置を用いれば,粘土の変形を伴う粘土と鋼材の接触面の応力を精度良く把握できることを確認した. (3)三軸室内で試験を実施するため,バックプレッシャーを負荷することができ,精度良く有効応力の測定が出来た. (4)粘土と鋼材の接触面のすべり変位と粘土要素のせん断変位を区別して測定出来た. (5)粘土と鋼材の接触面における摩擦特性は最大主応力面と鋼材の成す角,すなわち主応力方向には依存しないことが明らかとなった. 当初平成7年度研究計画に盛り込まれた実施項目は,上記研究経過の通りほぼ完了した.
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