1.洪水流航空写真の画像解析により洪水流表面の流速ベクトルを計算し、洪水流況を解析する方法について、技術上のいくつかの問題点を解決した。 (1)相互相関法の適用について 相互相関法の多段階適用法を改善した。また、相関窓・検索窓の最適スケールの決定法について指針を得た。 (2)航空写真の自動標定法を確立した。また、傾いたカメラで撮影された写真画像の解析法を明らかにした。 (3)誤ベクトルの除去法ならびに、除去されたベクトルの補充法を明らかにした。 (4)ビデオカメラによる簡便撮影法の開発 洪水流の表面流況をビデオにより撮影し、解析するという方法は、写真機を用いる場合に比べて精度はかなり低下するが現地観測の場合などに簡便に用いられるという利点がある。この方法を島根県斐伊川での流況観測に実際に適用し、撮影結果を解析したところ良好な結果が得られた。 2.洪水流航空写真の画像解析によりどのような情報が得られるかを検討した。 降水流の画像解析によって、写真濃度、流速、流線、発散、渦度などの水理量の分布が得られる。それらの相互関係を分析することによって洪水流に関するどのような特性が解明されるかを明らかにした。とくに、発散分布から河床形状特性を把握できることを解明した。
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