研究課題/領域番号 |
07555162
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福岡 捷二 広島大学, 工学部, 教授 (30016472)
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研究分担者 |
高畑 洋 広島大学, 工学部, 助手 (60294542)
日下部 治 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092548)
島 裕雅 応用地質株式会社, 探査工学研究所, 課長
渡邊 明英 広島大学, 工学部, 助教授 (00240474)
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キーワード | 河岸侵食 / 護岸 / 自然堆積 / 粘土 / 現地試験 / 測定法 / 逆解析 / 比抵抗 |
研究概要 |
洪水中に河岸侵食が堤防にまで及び、堤防欠壊の危険性が増大すると、人々の生命・財産を危険にさらすことになる。これを防ぐために、従来はコンクリート等の固い人工構造物を利用してきた。現在では河川に環境性が求められ、自然に近い形で河川保護が行われるようになっている。このためには、自然河岸の耐侵食力を明らかにする必要がある。しかし、コンクリートによる被覆に頼ってきたが故に、自然河岸の耐侵食力に関する研究が立ち遅れている。本研究は、比抵抗法によって現地における河岸侵食量を洪水中に測定可能なシステムを開発しようとするものである。 本システムは、土と水の電気抵抗の差を利用して、断面内における土と水が存在する範囲を逆解析し、その範囲の時間変化を求めることで河岸侵食量を得ようとするものである。平成7年度には、本侵食量測定システムを試作し、現地河岸において比抵抗法による侵食形状の計測テストを行った。その結果、土質の抵抗が水の抵抗よりも小さく、その電気抵抗の差が小さかったために、明瞭な計測が行えなかった。平成8年度には、人工開削した場において比抵抗測定システムの性能試験を行った。その結果、開削の形状と大きさ、位置等については概ね25cm程度の解像度を有していることが分かった。しかし、比抵抗の逆解析において偽像が発生し、土と水の境界部が明瞭に得られないという欠点が見出された。この時点で選られた問題点は、解像度と境界の不明瞭性、及び測定時間である。平成9年度には、これらの点の内、境界の不明瞭性を対処するために、比抵抗の上限と下限を設定し、かつしきい値を用いて解を2値化するという解析法の改良を行い、平成8年度の実験を再解析した。その結果、対策を行わない場合と比較すると位置は明瞭になるが、解像度に関してはハードウエアの改造を施す必要があることが分かった。
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