高速列車がトンネルに突入する際、列車先頭で発生した圧力波はトンネル内を伝播し、トンネル出口で低周波音を伴ったトンネル微気圧波が放射し騒音問題となっている。そこでトンネル微気圧波を低減する目的で、トンネル内伝播する圧力波(以後トンネル内進行波という)に先んじてトンネル内に正圧の制御波を発生し、トンネル内進行波及びトンネル微気圧波への影響を模型実験により調べた。 トンネル微気圧波は、トンネル内においてトンネル内進行波の前面の圧力勾配が増加することにより発生する。これまでの実験で、正圧の制御波はこのトンネル内進行波の伝播過程に大きく影響していることがわかっている。そこで本年度は、制御圧力波のトンネル内進行波の伝播過程への影響を詳しく調べるため、前年度のトンネル模型を延長した。また、制御圧力波による制御を行わないを含め、制御圧力波の制御パラメータを様々に変えて伝播特性を測定するとともに、トンネル出口でのトンネル微気圧波も同時に計測及び評価した。 この実験により、トンネル内進行波の圧力変化と圧力勾配の増加過程、正圧の制御圧力波によるトンネル内進行波の圧力及び圧力勾配への影響とトンネル内進行波の圧力勾配増加の抑制効果、制御圧力波発生装置の存在によるトンネル内進行波への制御外の影響について詳しく調べることができた。また、トンネル内進行波の圧力及び圧力勾配と、トンネル微気圧波の音圧及び波形との関係及び、制御圧力波によるトンネル微気圧波の低減効果も明らかとした。
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